【お知らせ】「死角を待ちながら 又吉直樹(ピース)「人をポエムって言うたお前がポエムや」;『ユリイカ』(2011年10月号)特集《現代俳句の新しい波》を読む」『週刊俳句 Haiku Weekly第387号』
- 2014/09/21
- 04:50
『週刊俳句 Haiku Weekly第387号 』にて「又吉直樹(ピース)「人をポエムって言うたお前がポエムや」を読む 」という文章を載せていただきました。『週刊俳句』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
又吉直樹さんでひとつとても印象に残っていることがあって、又吉さんが番組でとつぜん一発ギャグをやれっていわれてやったのが、ぽーんぽーんってその場でとびはねながら、「わたしはいつか殺されるだろう」っていって、とびはねつづけるっていうそういうネタだったんですよね。
で、それをみたときに、このひとは〈お笑い〉で担保されてきた領域よりも、〈演劇〉や〈文学〉で担保されてきた場所を〈お笑い〉に移し替えて実践しているひとなんだなあ、と思いました。
〈お笑い〉よりもこのネタが〈文学〉寄りだったのは、まずとつぜんとびはねているという〈不条理〉な状況への介入。
にもかかわらず、〈わたし〉と語り手が発話してしまう〈わたし〉の主体の登場。
そして「いつか殺される」という〈いま〉ではないがそれは〈やがて〉やってくるという〈到来〉としての〈宙づり〉状況。
この〈不条理・わたし・宙づり〉の3点セットは、〈文学〉や〈演劇〉が主題としてもってきていたものなのではないか、と。
そこでひとつ思うのは、〈文学〉が主題としてきたものは、〈文脈〉を変えればそれはそのまま〈笑い〉になるかもしれない、ということです。
要は、どのような場所で、どのようなオーディエンスにむけて、どのようなコンテクストで、誰にむかって発話されるかで、〈文学的〉要素は、如実にその姿を変えてしまうのではないかと。そういった〈変態〉性に文学はあるのでないかと。
そういった意味で、〈文学〉にコミットしている〈又吉直樹〉さんという存在はおもしろいなあと思いました。
だから、〈文学〉とはなにか、ときかれたらひとまずこういう答え方もありなのではないか。
文学とは、〈中身〉がいまだ措定されていない〈枠組み〉である、と。
それは、輪郭のふわふわした箱である、と。
もっといえば、「人をポエムって言うたお前がポエムや」と発話した瞬間に決め打ちされる〈なにか=不確定性〉である、と。
無邪気に出された舌が汚い 又吉直樹
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
又吉直樹さんでひとつとても印象に残っていることがあって、又吉さんが番組でとつぜん一発ギャグをやれっていわれてやったのが、ぽーんぽーんってその場でとびはねながら、「わたしはいつか殺されるだろう」っていって、とびはねつづけるっていうそういうネタだったんですよね。
で、それをみたときに、このひとは〈お笑い〉で担保されてきた領域よりも、〈演劇〉や〈文学〉で担保されてきた場所を〈お笑い〉に移し替えて実践しているひとなんだなあ、と思いました。
〈お笑い〉よりもこのネタが〈文学〉寄りだったのは、まずとつぜんとびはねているという〈不条理〉な状況への介入。
にもかかわらず、〈わたし〉と語り手が発話してしまう〈わたし〉の主体の登場。
そして「いつか殺される」という〈いま〉ではないがそれは〈やがて〉やってくるという〈到来〉としての〈宙づり〉状況。
この〈不条理・わたし・宙づり〉の3点セットは、〈文学〉や〈演劇〉が主題としてもってきていたものなのではないか、と。
そこでひとつ思うのは、〈文学〉が主題としてきたものは、〈文脈〉を変えればそれはそのまま〈笑い〉になるかもしれない、ということです。
要は、どのような場所で、どのようなオーディエンスにむけて、どのようなコンテクストで、誰にむかって発話されるかで、〈文学的〉要素は、如実にその姿を変えてしまうのではないかと。そういった〈変態〉性に文学はあるのでないかと。
そういった意味で、〈文学〉にコミットしている〈又吉直樹〉さんという存在はおもしろいなあと思いました。
だから、〈文学〉とはなにか、ときかれたらひとまずこういう答え方もありなのではないか。
文学とは、〈中身〉がいまだ措定されていない〈枠組み〉である、と。
それは、輪郭のふわふわした箱である、と。
もっといえば、「人をポエムって言うたお前がポエムや」と発話した瞬間に決め打ちされる〈なにか=不確定性〉である、と。
無邪気に出された舌が汚い 又吉直樹
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