【感想】双六を三つすすんで絶滅す 岡田一実
- 2014/10/07
- 23:00
双六を三つすすんで絶滅す 岡田一実
【じゃあ、わたしから、振りますね】
双六と定型は似ているんじゃないかというのが今回の話です。
定型っていうのは、意志や主体や能動性によってどうにもならない〈型〉だとおもうんです。
定型は、非解釈的であり、575に解釈の入る余地がない。
たとえばもしかしたら7は8なんじゃないかというそういうブレもない。
〈個性〉や〈人格〉によって定型が変わることも、ない。
それは文字通り、〈定〉まっている〈型〉だからだとおもうんです。
この非人格的・非解釈的な定型は、双六とよく似ているんじゃないかとおもうんです。
双六は、解釈とか内面とか個性とか文脈とかいっさい関係がありません。読解とか、演出も、要らないものです。
すべては賽子(さいころ)が決めるし、運命はマスが決めます。
もし、短詩が定型にみずからのことばの運命をゆだね、そして575と言い放った瞬間、かならず〈おわり〉がおとずれるそれ以上の饒舌を許さない表現装置だとするならば)、この岡田さんの句は、定型と双六の親和性を詠んだ句ともとれるのではないかともおもうのです。
読み込みすぎかもしれませんが、以前からどうして川柳では双六という題材が好まれて使われるんだろうとずっと気になっていて、岡田さんの句のことを考えているうちにもしかすると双六と定型はどこか親和性があるのではないかとおもった次第です。
しかし、まちがっているかもしれない。
まちがっていたら、
2マスもどりましょう。
すごろくの二マス戻るで陽をあびる 柳本々々
(『川柳マガジン』2014年2月号)
【じゃあ、わたしから、振りますね】
双六と定型は似ているんじゃないかというのが今回の話です。
定型っていうのは、意志や主体や能動性によってどうにもならない〈型〉だとおもうんです。
定型は、非解釈的であり、575に解釈の入る余地がない。
たとえばもしかしたら7は8なんじゃないかというそういうブレもない。
〈個性〉や〈人格〉によって定型が変わることも、ない。
それは文字通り、〈定〉まっている〈型〉だからだとおもうんです。
この非人格的・非解釈的な定型は、双六とよく似ているんじゃないかとおもうんです。
双六は、解釈とか内面とか個性とか文脈とかいっさい関係がありません。読解とか、演出も、要らないものです。
すべては賽子(さいころ)が決めるし、運命はマスが決めます。
もし、短詩が定型にみずからのことばの運命をゆだね、そして575と言い放った瞬間、かならず〈おわり〉がおとずれるそれ以上の饒舌を許さない表現装置だとするならば)、この岡田さんの句は、定型と双六の親和性を詠んだ句ともとれるのではないかともおもうのです。
読み込みすぎかもしれませんが、以前からどうして川柳では双六という題材が好まれて使われるんだろうとずっと気になっていて、岡田さんの句のことを考えているうちにもしかすると双六と定型はどこか親和性があるのではないかとおもった次第です。
しかし、まちがっているかもしれない。
まちがっていたら、
2マスもどりましょう。
すごろくの二マス戻るで陽をあびる 柳本々々
(『川柳マガジン』2014年2月号)
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