【感想】からすうりブルーノムナリレオレオニ 高橋洋子
- 2014/10/13
- 21:55
からすうりブルーノムナリレオレオニ 高橋洋子
【絵本と俳句を切り貼りする】
俳誌『豆の木』17号(2013春)からの一句です。
ブルーノ・ムナリの絵本も、レオ・レオニの絵本もどちらも面白いとおもうんですが、あえてこのふたりに共通点をみいだすならばそれは多層性だとおもうんです。
ブルーノ・ムナリは実験的な絵本をつくるひとなんですが、たとえば『きりのなかのサーカス』では透かしの紙をうえに重ねることできりの効果を出したりしてるんです。
そういう〈紙〉によって多層的な奥深さをだしている。
表面という深さです。
レオ・レオニはスイミーやフレデリックが有名ですが、レオ・レオニも切り絵を多層的に貼りながらキャラクターをつくることで、表面の奥深さをだしています。
この句に季語として使われている「からすうり」が象徴的なのは、からすうりの丸みを帯びた形状が、絵本の丸みと親和しあいながらも、それを〈キャラクター〉の造形としてかんがえたときにそこには○としての表面の深さが出てくるのではないかとおもうんです。
○かは○へ。そしてその○は重ねられる◎へ。
そうした季語の○としての形状が二次元的奥深さのある物語体系をひきよせてくる。
そしてその体系同士を定型が接着し、「からすうり」「ブルーノムナリ」「レオレオニ」のみっつの切り絵を三層仕立てで多層化された貼り絵として接着する。
この句には、そんなおもしろさがあるようにおもいます。
もちろん、素直に感受すれば、ブルーノムナリレオレオニとは、なんども口にだしてたのしいことばです。
実際、くちにだしてとなえてみましょう。
なんどもなんども口が○くなって、くちびるの○の多層化をあなたは経験するでしょう。
水澄みて球体関節人形 高橋洋子
【絵本と俳句を切り貼りする】
俳誌『豆の木』17号(2013春)からの一句です。
ブルーノ・ムナリの絵本も、レオ・レオニの絵本もどちらも面白いとおもうんですが、あえてこのふたりに共通点をみいだすならばそれは多層性だとおもうんです。
ブルーノ・ムナリは実験的な絵本をつくるひとなんですが、たとえば『きりのなかのサーカス』では透かしの紙をうえに重ねることできりの効果を出したりしてるんです。
そういう〈紙〉によって多層的な奥深さをだしている。
表面という深さです。
レオ・レオニはスイミーやフレデリックが有名ですが、レオ・レオニも切り絵を多層的に貼りながらキャラクターをつくることで、表面の奥深さをだしています。
この句に季語として使われている「からすうり」が象徴的なのは、からすうりの丸みを帯びた形状が、絵本の丸みと親和しあいながらも、それを〈キャラクター〉の造形としてかんがえたときにそこには○としての表面の深さが出てくるのではないかとおもうんです。
○かは○へ。そしてその○は重ねられる◎へ。
そうした季語の○としての形状が二次元的奥深さのある物語体系をひきよせてくる。
そしてその体系同士を定型が接着し、「からすうり」「ブルーノムナリ」「レオレオニ」のみっつの切り絵を三層仕立てで多層化された貼り絵として接着する。
この句には、そんなおもしろさがあるようにおもいます。
もちろん、素直に感受すれば、ブルーノムナリレオレオニとは、なんども口にだしてたのしいことばです。
実際、くちにだしてとなえてみましょう。
なんどもなんども口が○くなって、くちびるの○の多層化をあなたは経験するでしょう。
水澄みて球体関節人形 高橋洋子
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