【短歌・連作】「週末、ノルウェイの森に行こうよ。」『かばん』2014年11月号
- 2014/11/09
- 18:30
【詞書】このまま、この人に抱かれたまま、一生これやってたいと思ったくらいよ。 村上春樹『ノルウェイの森』
セックスの描写部分を輪読す静かな校舎村上春樹
漱石が『ノルウェイの森』読んでいる 理論でいけばそうなる、と猫(きみ)
昨日から象が消えてるこの街でわたしときみが入籍をする
友人がムラカミハルキという名前 趣味は車で本は読まない
日曜の芝生に降り積む小雨 対 バターが溶ける40℃のヴァギナ
きみとする村上春樹がおいしくて午後のお茶みたくなんどもしてる
「いまどこ?」と電話で話す最終回 もたつくことばハチミツだらけの
読みさしの村上春樹返せずに森さえもない街を彷徨く
柳本々々「週末、ノルウェイの森に行こうよ。」『かばん』2014年11月号
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今月号にて山下一路さんから歌評をいただきました。ありがとうございました!
美容院洗面台で仰向けにラプンツェルしてタオルずれて、眼 柳本々々
ラプンツェルはグリム童話の髪長姫。前書きから始まって、思わず「文学やってます」という気分になれる。構成も凝ったウイット満載の一連でした。 山下一路「九月号(評)思いつくまま」
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遠くまで行ってしまえば帰れない放置自転車に花束いれて 山下一路
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