【お知らせ】「顔パンチされる機関車トーマス 柳誌『Senryu So』から湊圭史の一句」『週刊俳句 Haiku Weekly第395号』
- 2014/11/16
- 20:53
『週刊俳句 Haiku Weekly第395号 』にて「顔パンチされる機関車トーマス 柳誌『Senryu So』から湊圭史の一句 」という文章を載せていただきました。『週刊俳句』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
今回は、「きかんしゃトーマス」を殴るってどういうことなんだろう、そもそもあのどこかぶきみさを感じずにはいられない〈きかんしゃトーマス〉ってなんなんだろう、しかもそれを湊さんはなぜ〈殴る〉ことで川柳として組織化したんだろう、ということについてかんがえてみました。
たぶん、そこには、もしかすると、根底的な〈倫理構築〉と〈言語構築〉をめぐる問題があるかもしれません。
世界に〈暴力〉をもって(ことばをとおして)介入していくこと。
そのときに、いったい、なにがおこるのか。
だれが・なにをひきうけ、だれが・なにをてばなすのか。
〈暴力〉を言語化する試みには、つねにそういった問題系が顕在化してくるようにもおもいます。
あなたがだれかを(ことばで)殴りつけたとき、なにが浮上し、なにが掩蔽されるのか。
〈法〉を踏み外す・踏み越えるときに〈法〉がみえてきます。
ドキドキしながら電池を捨てにゆく 湊圭史
ちなみに今回、例示として〈殴る〉ことが特権化=主題化されている少年コミックをずらずらと引いたのですが、どのようなシーンだったのか補填として最後にワンショットずつ画像を引いておこうとおもいます。
・武論尊/原哲夫『北斗の拳 第5巻』(ジャンプ・コミックス、1985年)の「努拳四連弾!!の巻」においてケンシロウがジャギを「あたたた!! これはシンの分!! 」「ユリアの分だ!!」「最後にこれは…きさまによってすべてを失ったおれの…おれの…このおれの怒りだあ!!」と蹴り・殴るシーン(p.184-193)
・鳥山明『ドラゴンボール 第19巻』(ジャンプ・コミックス、1989年)の「其之二百二十五 ナッパ 手も足も出ず!!」において悟空がナッパを「こいつは天津飯のうらみだ!!/ピッコロのうらみ!!」と拳を打ち下ろし・蹴るシーン(p.130-1)
・井上雄彦『スラムダンク 第8巻』(ジャンプ・コミックス、1992年)の「「2度と来ない」」において桜木花道が鉄男を「7発だぞ/7発」「今のはシオの分」「次はカクの分だ」「これはルカワの分」「そしてこれは…リョータ君の分!!」「そしてこっからはオレの分」「まだだ…次はタバコおしつけたボールと折られたモップの分」と殴るシーン(p.24-42)
・冨樫義博『幽★遊★白書 第13巻』(ジャンプ・コミックス、1993年)の「残る二人の能力!!の巻」において浦飯幽助が自身の仲間を模写(コピー)している柳沢を見破り「……よし殴るヤツは決まったぜ/悪く思うな/それはオメーだ!!」と殴るシーン(p.163)。
・荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 PART6 ストーン オーシャン 第7巻』(ジャンプ・コミックス、2001年)の「愛と復讐のキッス その⑦」においてエルメェス・コステロがスポーツ・マックスを「いいか…この蹴りはグロリアのぶんだ……顔面のどこかの骨がへし折れたようだが/それはグロリアがお前の顔をへし折ったと思え……」「そしてこれもグロリアのぶんだッ!」「そして次のもグロリアのぶんだ/その次の次のも/その次の次の次のも……/その次の次の次の次のも…」「次の! 次も!」「グロリアのぶんだあああ─────ッ/これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも! 」と蹴り・殴るシーン(p58-63)
・尾田栄一郎『ワンピース 第51巻』(ジャンプ・コミックス、2008年)の「第502話 “天竜人の一件”」においてモンキー・D・ルフィが世界貴族(天竜人)のチャルロス聖を無言で殴るシーン(p.224-5)
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
今回は、「きかんしゃトーマス」を殴るってどういうことなんだろう、そもそもあのどこかぶきみさを感じずにはいられない〈きかんしゃトーマス〉ってなんなんだろう、しかもそれを湊さんはなぜ〈殴る〉ことで川柳として組織化したんだろう、ということについてかんがえてみました。
たぶん、そこには、もしかすると、根底的な〈倫理構築〉と〈言語構築〉をめぐる問題があるかもしれません。
世界に〈暴力〉をもって(ことばをとおして)介入していくこと。
そのときに、いったい、なにがおこるのか。
だれが・なにをひきうけ、だれが・なにをてばなすのか。
〈暴力〉を言語化する試みには、つねにそういった問題系が顕在化してくるようにもおもいます。
あなたがだれかを(ことばで)殴りつけたとき、なにが浮上し、なにが掩蔽されるのか。
〈法〉を踏み外す・踏み越えるときに〈法〉がみえてきます。
ドキドキしながら電池を捨てにゆく 湊圭史
ちなみに今回、例示として〈殴る〉ことが特権化=主題化されている少年コミックをずらずらと引いたのですが、どのようなシーンだったのか補填として最後にワンショットずつ画像を引いておこうとおもいます。
・武論尊/原哲夫『北斗の拳 第5巻』(ジャンプ・コミックス、1985年)の「努拳四連弾!!の巻」においてケンシロウがジャギを「あたたた!! これはシンの分!! 」「ユリアの分だ!!」「最後にこれは…きさまによってすべてを失ったおれの…おれの…このおれの怒りだあ!!」と蹴り・殴るシーン(p.184-193)
・鳥山明『ドラゴンボール 第19巻』(ジャンプ・コミックス、1989年)の「其之二百二十五 ナッパ 手も足も出ず!!」において悟空がナッパを「こいつは天津飯のうらみだ!!/ピッコロのうらみ!!」と拳を打ち下ろし・蹴るシーン(p.130-1)
・井上雄彦『スラムダンク 第8巻』(ジャンプ・コミックス、1992年)の「「2度と来ない」」において桜木花道が鉄男を「7発だぞ/7発」「今のはシオの分」「次はカクの分だ」「これはルカワの分」「そしてこれは…リョータ君の分!!」「そしてこっからはオレの分」「まだだ…次はタバコおしつけたボールと折られたモップの分」と殴るシーン(p.24-42)
・冨樫義博『幽★遊★白書 第13巻』(ジャンプ・コミックス、1993年)の「残る二人の能力!!の巻」において浦飯幽助が自身の仲間を模写(コピー)している柳沢を見破り「……よし殴るヤツは決まったぜ/悪く思うな/それはオメーだ!!」と殴るシーン(p.163)。
・荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険 PART6 ストーン オーシャン 第7巻』(ジャンプ・コミックス、2001年)の「愛と復讐のキッス その⑦」においてエルメェス・コステロがスポーツ・マックスを「いいか…この蹴りはグロリアのぶんだ……顔面のどこかの骨がへし折れたようだが/それはグロリアがお前の顔をへし折ったと思え……」「そしてこれもグロリアのぶんだッ!」「そして次のもグロリアのぶんだ/その次の次のも/その次の次の次のも……/その次の次の次の次のも…」「次の! 次も!」「グロリアのぶんだあああ─────ッ/これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも!これも! 」と蹴り・殴るシーン(p58-63)
・尾田栄一郎『ワンピース 第51巻』(ジャンプ・コミックス、2008年)の「第502話 “天竜人の一件”」においてモンキー・D・ルフィが世界貴族(天竜人)のチャルロス聖を無言で殴るシーン(p.224-5)
- 関連記事
-
- 【お知らせ】週一連載「フシギな短詩」『およそ日刊俳句新空間』 (2016/02/12)
- 【お知らせ】浅沼璞氏との往復書簡「字数の問題をめぐって 巻3」『オルガン』12号、2018年2月 (2018/02/10)
- 【お知らせ】「寿命を与えられたチャーリー・ブラウン或いはスナフキン 野口る理句集『しやりり』の一句」『週刊俳句 Haiku Weekly第388号』 (2014/09/28)
- 【お知らせ】絵俳句『guca』リニューアル創刊号、2017年11月 (2017/11/20)
- 【お知らせ】「【短詩時評 第三回】伊舎堂仁のオールナイトニッポン(語)-尺度はシステムの外にある-」『BLOG俳句新空間 第27号』 (2015/10/02)
スポンサーサイト
- テーマ:読書感想文
- ジャンル:小説・文学
- カテゴリ:々々のお知らせ