【感想】丸山進「ハンニチヒコクミン」『川柳カード7号』
- 2014/12/06
- 22:41
三歳でも言えるハンニチヒコクミン 丸山進
【線の魔術師】
丸山進さんの『川柳カード7号』からの連作「ハンニチヒコクミン」です。
わたしは今回この連作から、〈線〉のイメージが非常におもしろいなと思いました。
たとえば、「ハンニチコクミン」というタイトルがすでに運動としての線になっています。
「反日非国民」は線が漢字として統合化されゲシュタルトしていますが、「ハンニチヒコクミン」として線は解体されのたうち、もうひとつの位相「コンニチハ」まで導きだしているようにさえ、おもいます。
でも、内的参入のためのコンニチハの挨拶に反して、ハイニチヒコクミンということばは外的排出としてあります。
しかし線の動きとしてあらわすことにより、「ハンニチヒコクミン」が「コンニチハ」を含みもちながらも揺れている状態になっている。
だからこそ、「三歳でも言える」のではないかとおもったりもします。
それは〈これから〉の話です。ナショナリティがでてくるのは、おそらく〈教育〉によってなので。
この連作には線の運動イメージが多いと言いました。
すこしあげてみます。
執拗なルンバに追われ崖っぷち 丸山進
締切に追われて蟻の足もつれ 〃
徘徊の跡がヌードの地上絵に 〃
「執拗なルンバ」の軌跡としての線、「締切」としてのデッドラインとしての線と「足もつれ」としてのからまりあう線、「徘徊の跡」としての痕跡線と「地上絵」の痕跡線。
だからここから『川柳ねじまき』の丸山さんの線の生命句と響きあわせて読むのもありなのではないかとさえ、おもったりもします。すなわち、
折れてくれ折れ線グラフなのだから 丸山進
【線の魔術師】
丸山進さんの『川柳カード7号』からの連作「ハンニチヒコクミン」です。
わたしは今回この連作から、〈線〉のイメージが非常におもしろいなと思いました。
たとえば、「ハンニチコクミン」というタイトルがすでに運動としての線になっています。
「反日非国民」は線が漢字として統合化されゲシュタルトしていますが、「ハンニチヒコクミン」として線は解体されのたうち、もうひとつの位相「コンニチハ」まで導きだしているようにさえ、おもいます。
でも、内的参入のためのコンニチハの挨拶に反して、ハイニチヒコクミンということばは外的排出としてあります。
しかし線の動きとしてあらわすことにより、「ハンニチヒコクミン」が「コンニチハ」を含みもちながらも揺れている状態になっている。
だからこそ、「三歳でも言える」のではないかとおもったりもします。
それは〈これから〉の話です。ナショナリティがでてくるのは、おそらく〈教育〉によってなので。
この連作には線の運動イメージが多いと言いました。
すこしあげてみます。
執拗なルンバに追われ崖っぷち 丸山進
締切に追われて蟻の足もつれ 〃
徘徊の跡がヌードの地上絵に 〃
「執拗なルンバ」の軌跡としての線、「締切」としてのデッドラインとしての線と「足もつれ」としてのからまりあう線、「徘徊の跡」としての痕跡線と「地上絵」の痕跡線。
だからここから『川柳ねじまき』の丸山さんの線の生命句と響きあわせて読むのもありなのではないかとさえ、おもったりもします。すなわち、
折れてくれ折れ線グラフなのだから 丸山進
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