【感想】初恋のあとの永生き春満月 池田澄子
- 2014/12/09
- 23:58
初恋のあとの永生き春満月 池田澄子
【2014年恋の旅】
この池田さんの句を読んだときなんだかあらためてびっくりしたんですよ。
ひとは初恋のあとでも長生きしていかなければならないんだなって。
そうして春の満月をみたりもしなければならないんだなって。
で、これってなにかというとわたしは〈距離感〉だとおもうんですよ。
ことばをいいかえれば、メタ初恋だとおもうんです。
初恋をすこし次元を変えてみている。
で、池田さんの句ってそういうメタ視点の恋の句がほかにもあってたとえば、
屠蘇散や夫は他人なので好き 池田澄子
これも〈距離感〉だとおもうんです。
「他人なので」というのは、メタ夫というか、夫を別次元からとらえている。
「初恋のあとの永生き」も「夫は他人なので好き」も、〈距離感〉を導入することではじめて密接できる「初恋」や「夫」のようにおもうんですよね。
うらがえせば、実は「初恋」や「夫」にあまりに密接して描いているときは、それは「初恋」や「夫」との関係性を描いているというよりは、既存のテンプレートや、自分自身の投影図を端からたどっているだけだったりする。
でもそこに〈距離感〉という逆説を導入したことで、〈初恋〉や〈夫〉というベタ化・ネタ化しやすいものをメタ化することに成功したんじゃないか。
そんなふうにおもうんです。
メタとは、なにか。
おそらくそれは、転を転ずることです。た、ぶん。
恋文の起承転転さくらんぼ 池田澄子
【2014年恋の旅】
この池田さんの句を読んだときなんだかあらためてびっくりしたんですよ。
ひとは初恋のあとでも長生きしていかなければならないんだなって。
そうして春の満月をみたりもしなければならないんだなって。
で、これってなにかというとわたしは〈距離感〉だとおもうんですよ。
ことばをいいかえれば、メタ初恋だとおもうんです。
初恋をすこし次元を変えてみている。
で、池田さんの句ってそういうメタ視点の恋の句がほかにもあってたとえば、
屠蘇散や夫は他人なので好き 池田澄子
これも〈距離感〉だとおもうんです。
「他人なので」というのは、メタ夫というか、夫を別次元からとらえている。
「初恋のあとの永生き」も「夫は他人なので好き」も、〈距離感〉を導入することではじめて密接できる「初恋」や「夫」のようにおもうんですよね。
うらがえせば、実は「初恋」や「夫」にあまりに密接して描いているときは、それは「初恋」や「夫」との関係性を描いているというよりは、既存のテンプレートや、自分自身の投影図を端からたどっているだけだったりする。
でもそこに〈距離感〉という逆説を導入したことで、〈初恋〉や〈夫〉というベタ化・ネタ化しやすいものをメタ化することに成功したんじゃないか。
そんなふうにおもうんです。
メタとは、なにか。
おそらくそれは、転を転ずることです。た、ぶん。
恋文の起承転転さくらんぼ 池田澄子
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