【感想】はつ雪や紙をさはつたまま眠る 宮本佳世乃
- 2015/01/27
- 23:59
はつ雪や紙をさはつたまま眠る 宮本佳世乃
【おやすみなさいからはじまる感想文】
このかよのさんの句、だいすきでねむるまえとかによくおもいだしてるんです。あと、手をむねのうえで組んでおいのりするようにうたたねしているときとかも、ゆめのなかでおもいだしてるんです。
これね、「紙を」っていうのがずっと気になってたんです。
たとえば、本を読みながら寝ちゃうことありますよね。
そのときは、本を読んだままねむるとか、本にくっついたままねむるとか、まあ本っていいますよね。
たとえば、勉強中だったら、参考書とか、テスト中にねむるんだったら試験用紙とかいいますよね。
なんで、紙なんだろう、っておもってたんです。
でも、ねむるちょくぜんに、はっとわかったんです(そしてそのままゆめのなかにいってしまったのでこうして次の日に書いてるんですが)。
これはね、ねむっちゃってるから、意味のカテゴライズがこわれてるんじゃないかな、とおもったんです。
つまり、紙をさわったままねむるという句もまどろんでるんだけど、句もまどろむことによって、意味もまどらんでいる。
だから、本とか、小説とか、ファッション誌とか、漢字ドリルとかの意味分節=カテゴライズが、こわれ、まどろんで、「紙」になっている。
語り手も、その、まどろみのせかいにいるんです。
そしてこの句を読んだ読者もまた、まどろみのせかいにはいってゆく。まどろみの感触を、からだから、りかいしてゆく。まどろみに、じかに、さわる。
ねむるということは、さわるということ。
だから、
おやすみなさい。
いちはつの花にさはれば文字の見ゆ 宮本佳世乃
*
おやすみなさい。これはおやすみなさいからはじまる真夜中の手紙です 穂村弘『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』
【おやすみなさいからはじまる感想文】
このかよのさんの句、だいすきでねむるまえとかによくおもいだしてるんです。あと、手をむねのうえで組んでおいのりするようにうたたねしているときとかも、ゆめのなかでおもいだしてるんです。
これね、「紙を」っていうのがずっと気になってたんです。
たとえば、本を読みながら寝ちゃうことありますよね。
そのときは、本を読んだままねむるとか、本にくっついたままねむるとか、まあ本っていいますよね。
たとえば、勉強中だったら、参考書とか、テスト中にねむるんだったら試験用紙とかいいますよね。
なんで、紙なんだろう、っておもってたんです。
でも、ねむるちょくぜんに、はっとわかったんです(そしてそのままゆめのなかにいってしまったのでこうして次の日に書いてるんですが)。
これはね、ねむっちゃってるから、意味のカテゴライズがこわれてるんじゃないかな、とおもったんです。
つまり、紙をさわったままねむるという句もまどろんでるんだけど、句もまどろむことによって、意味もまどらんでいる。
だから、本とか、小説とか、ファッション誌とか、漢字ドリルとかの意味分節=カテゴライズが、こわれ、まどろんで、「紙」になっている。
語り手も、その、まどろみのせかいにいるんです。
そしてこの句を読んだ読者もまた、まどろみのせかいにはいってゆく。まどろみの感触を、からだから、りかいしてゆく。まどろみに、じかに、さわる。
ねむるということは、さわるということ。
だから、
おやすみなさい。
いちはつの花にさはれば文字の見ゆ 宮本佳世乃
*
おやすみなさい。これはおやすみなさいからはじまる真夜中の手紙です 穂村弘『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』
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