【感想】好きな助詞どんどん減って塩れもん 弘津秋の子
- 2015/01/29
- 01:31
好きな助詞どんどん減って塩れもん 弘津秋の子
【じょ、助詞だー!】
『川柳カード7号』から、秋の子さんの句です。
こないだある方と話をしていたときに、その方が助詞がめちゃくちゃだいすきって話をされたんですよ。
で、たしかに短詩をつくっていると、助詞にめちゃくちゃ敏感になってくるときがあるんですよ。
なんていうのでしょうか、助詞だけに反応するアンテナをもっているというか、鬼太郎の髪の毛って妖怪の妖気に反応してびいいいいんっとたちあがるんですが、そんな助詞アンテナみたいのをもっている。
だから、「火事だ!」ってだれかがさけんでもものすごいいきおいでそっちをみるけれど、「助詞だ!」ってさけばれても、やっぱりものすごいいきおいでそっちをみてしまうくらいの。
だから、短詩をつくっておられるかたとお話するときは、わたしは、できるだけ、助詞にきをつけて、助詞を省いて話すんですよ。
つまり、
「わたし これから コンビニ いく わたし うまい うまい のみたいもの つめたい あまい かってくる うまいもの あたたかいもの かってくる わたし すこしおなかいたい でも げんき だす いく しかし ひざ くずれおちる でも やる げんき だす たぶん」
みたいな。
そんなですね、なんだか、勇敢な戦士みたいなしゃべりかたになるんですけど、たぶんそれは、短詩にとって助詞って命がけのものだとも、おもうからだともおもうんですよ。
助詞のわずかなぶれによって、その句や歌の運命が決まってしまう。
それが、助詞なんです。
本懐や本丸は、名詞ではなくて、もしかしたら助詞にあるとさえ、いっていいくらいかもしれない。
で、秋の子さんの句はそうした助詞を主題化しているおもしろい句で、しかも、好きな助詞が減っていくという、助詞の荒野みたいな場所にいこうとしてる、おもしろい、こわい句なんですね。
助詞が全滅したら、みんな、勇敢な戦士になるしかないですからね。わたし こんびに かう うまいやつ、のせかいになっちゃいますから。
その助詞のない世界が「塩れもん」のせかいですよ。
これは、名詞どまんなかの世界であり、また、塩+れもん、のように、名詞と名詞が接合するしかない世界でもあり、また、れもん、と、ことばが助詞の接着剤がなくなることで、溶解していくようなせかいです。
そんな 助詞の なくなる せかい よんだ おもしろい 句 わたし おもう
です 句 わたし おもう さよなら
吹っ飛んだ押しピン 秋の返事です 弘津秋の子
【じょ、助詞だー!】
『川柳カード7号』から、秋の子さんの句です。
こないだある方と話をしていたときに、その方が助詞がめちゃくちゃだいすきって話をされたんですよ。
で、たしかに短詩をつくっていると、助詞にめちゃくちゃ敏感になってくるときがあるんですよ。
なんていうのでしょうか、助詞だけに反応するアンテナをもっているというか、鬼太郎の髪の毛って妖怪の妖気に反応してびいいいいんっとたちあがるんですが、そんな助詞アンテナみたいのをもっている。
だから、「火事だ!」ってだれかがさけんでもものすごいいきおいでそっちをみるけれど、「助詞だ!」ってさけばれても、やっぱりものすごいいきおいでそっちをみてしまうくらいの。
だから、短詩をつくっておられるかたとお話するときは、わたしは、できるだけ、助詞にきをつけて、助詞を省いて話すんですよ。
つまり、
「わたし これから コンビニ いく わたし うまい うまい のみたいもの つめたい あまい かってくる うまいもの あたたかいもの かってくる わたし すこしおなかいたい でも げんき だす いく しかし ひざ くずれおちる でも やる げんき だす たぶん」
みたいな。
そんなですね、なんだか、勇敢な戦士みたいなしゃべりかたになるんですけど、たぶんそれは、短詩にとって助詞って命がけのものだとも、おもうからだともおもうんですよ。
助詞のわずかなぶれによって、その句や歌の運命が決まってしまう。
それが、助詞なんです。
本懐や本丸は、名詞ではなくて、もしかしたら助詞にあるとさえ、いっていいくらいかもしれない。
で、秋の子さんの句はそうした助詞を主題化しているおもしろい句で、しかも、好きな助詞が減っていくという、助詞の荒野みたいな場所にいこうとしてる、おもしろい、こわい句なんですね。
助詞が全滅したら、みんな、勇敢な戦士になるしかないですからね。わたし こんびに かう うまいやつ、のせかいになっちゃいますから。
その助詞のない世界が「塩れもん」のせかいですよ。
これは、名詞どまんなかの世界であり、また、塩+れもん、のように、名詞と名詞が接合するしかない世界でもあり、また、れもん、と、ことばが助詞の接着剤がなくなることで、溶解していくようなせかいです。
そんな 助詞の なくなる せかい よんだ おもしろい 句 わたし おもう
です 句 わたし おもう さよなら
吹っ飛んだ押しピン 秋の返事です 弘津秋の子
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