【川柳】選ばれて…(『おかじょうき』2014年5月号「お題:明」 人位・三浦蒼鬼 選)
- 2014/05/16
- 22:25
選ばれてわたしの窓がまた増える 柳本々々
(『おかじょうき』2014年5月号「お題:明」 人位・三浦蒼鬼 選)
【自(分で)解(いてみる)-川柳や短歌における幸福論-】
加藤治郎さんの『うたびとの日々』という本を読んでの感想でも書いたことなのだが(参照:【感想】加藤治郎『うたびとの日々』-「選」としてのメディア性- )、ときどき、「選」としてのメディア性のことについてかんがえる。
たとえば、わたしは今回選者の三浦蒼鬼さんに選んでいただいたのだが、わたしはそのことによってこの句を三浦蒼鬼さんという選者としてのメディアを通して、もういちど、読み直し、かんがえなおす。
そのことによって、わたしにとってのこの句の意味も位置づけもかわっていく。
たとえばわたしはわたしがすきな「生きたいと思う厚さの虫眼鏡」や「本棚にある宇宙への滑走路」などの三浦蒼鬼さんの句を思い出しながら、じぶんの選んでもらった句についてかんがえなおしてみる。
じぶんのつくった川柳や短歌が選ばれるということは、〈作者〉としての〈わたし〉の手をその瞬間、離れるということだ。
そこでは、どんな雑誌に載ったかという掲載誌としてのメディア、どんな題で詠まれたものかという題詠としてのメディア、どのような選者によって選ばれたかという選者としてのメディア、という三重の意味生成としてのメディアがある。
そのようなメディアをかいくぐって、歌や句はまたあらたな意味の次元を生きはじめる。
メディア性というのは、なかなか言語化されない、記録も言及もされにくいものではあるけれど、詠み手の記憶の地層に重ねられていくものであるようにおもう。
川柳や短歌の幸福とは、そのようなさまざまな選者の重層的な地層のもとに、わたしがどのようにまたことばとむきあっていけるのかその地層と響きあいながらことばをつむぎだしていける、というところにあるようにもおもう。
最後になりますが、三浦蒼鬼さん、選んでいただきまして、ありがとうございました。
寄り道が好きで人間大好きで 三浦蒼鬼
(『おかじょうき』2014年5月号「お題:明」 人位・三浦蒼鬼 選)
【自(分で)解(いてみる)-川柳や短歌における幸福論-】
加藤治郎さんの『うたびとの日々』という本を読んでの感想でも書いたことなのだが(参照:【感想】加藤治郎『うたびとの日々』-「選」としてのメディア性- )、ときどき、「選」としてのメディア性のことについてかんがえる。
たとえば、わたしは今回選者の三浦蒼鬼さんに選んでいただいたのだが、わたしはそのことによってこの句を三浦蒼鬼さんという選者としてのメディアを通して、もういちど、読み直し、かんがえなおす。
そのことによって、わたしにとってのこの句の意味も位置づけもかわっていく。
たとえばわたしはわたしがすきな「生きたいと思う厚さの虫眼鏡」や「本棚にある宇宙への滑走路」などの三浦蒼鬼さんの句を思い出しながら、じぶんの選んでもらった句についてかんがえなおしてみる。
じぶんのつくった川柳や短歌が選ばれるということは、〈作者〉としての〈わたし〉の手をその瞬間、離れるということだ。
そこでは、どんな雑誌に載ったかという掲載誌としてのメディア、どんな題で詠まれたものかという題詠としてのメディア、どのような選者によって選ばれたかという選者としてのメディア、という三重の意味生成としてのメディアがある。
そのようなメディアをかいくぐって、歌や句はまたあらたな意味の次元を生きはじめる。
メディア性というのは、なかなか言語化されない、記録も言及もされにくいものではあるけれど、詠み手の記憶の地層に重ねられていくものであるようにおもう。
川柳や短歌の幸福とは、そのようなさまざまな選者の重層的な地層のもとに、わたしがどのようにまたことばとむきあっていけるのかその地層と響きあいながらことばをつむぎだしていける、というところにあるようにもおもう。
最後になりますが、三浦蒼鬼さん、選んでいただきまして、ありがとうございました。
寄り道が好きで人間大好きで 三浦蒼鬼
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