あとまき。
- 2015/03/01
- 00:32
「聞き違い・読み違い」について書かれていた方の記事を読んで、そうなんだよなあ、とおもう。
その方は、エレベーターの「五階です!」のアナウンスが「誤解です!」と聞こえたとのことだった。
でも、わたしはおもうのだ。
聞き違いなんかじゃなくて、そう聞きたかったのだと。
だから、実は、そのひとにとっての五階は〈誤解〉なのだ。
ほんとうの〈五階〉にたどりついてしまったのである。
じぶんでも隠していたはずの、でもすごくむかしからよく知っていたはずの〈五階〉に。
そこは、無意識の青空がひろがる、屋上よりも開放的で、深い海のような場所だ。
広大で、奥深い、五階。
わたしも、行ったことが、ある。
わたしはよく、書店で、『文学大全』だと思って、『文字大全』を買ってきてしまうことが、ある。
ぶ、文学じゃないじゃん! も、文字じゃん!
と、おうちで、気がつくのだ。
も、文字かいッ!! とわたしはひとり、さけび、こぶしをおふとんにたたきつける。くやしかったのである。
ひとは、くやしいときに、おふとんにこぶしをたたきつける。
リビングの床などだと、いたいからである。
しかし、たたきつけるのがおふとんならば
それは、やわらかい。ふわふわしている。
こぶしなのに、きもちがいい。
くりかえしてみる。
もういちど、たたきつけて、みる。
なんだか、やすらいでくる。
ほっと、してくる。
ピース、だとおもう。
安寧、だって。
わたしは、『文字大全』を、ひらく。
こんなに文字にくわしくなっちゃってどうしよう、っておもう。
でも、それも人生だって、おもう。
すごくたくさんいろんな書体がのっている。
文学についてはきもちいいくらいいっさい書かれていない。
青空みたいな、ひまわり畑のような、本だ。
頁をめくるたびに、風が吹いてくる。
髪が、ゆれる。
ここでわたしはこの話のそろそろエピローグだなとおもい、たちあがると、スポットライトの場所までじぶんから歩いて行き、しずかに話しはじめる。
間違えるって、そこからきっと、じぶんの知っていて・知らなかった王国にむかうことですよね。たぶん。
みなさんは、ふだんの生活で、どのような聞き間違いや言い間違い、見間違いをされているでしょうか。
かつて、イエス・キリストは、言いました。
隣人を愛しなさい、と。
でも、ひとは、まちがう。
数多くのまちがいをおかし、しかしそのまちがいのなかで、愛をみつけていく。遠い隣人に対して。
だから、わたしは、こうおもうんです。
きっとひとはみんな、じぶんだけの五階を持ってるんだと。
そしていつかその自分だけのためのほんとうの五階にたどりつくためだけに、間違いを重ねていくんだと。
やぎもともともとでした。
おやすみなさい。
スポットライトが、消える。
暗転、する。
その方は、エレベーターの「五階です!」のアナウンスが「誤解です!」と聞こえたとのことだった。
でも、わたしはおもうのだ。
聞き違いなんかじゃなくて、そう聞きたかったのだと。
だから、実は、そのひとにとっての五階は〈誤解〉なのだ。
ほんとうの〈五階〉にたどりついてしまったのである。
じぶんでも隠していたはずの、でもすごくむかしからよく知っていたはずの〈五階〉に。
そこは、無意識の青空がひろがる、屋上よりも開放的で、深い海のような場所だ。
広大で、奥深い、五階。
わたしも、行ったことが、ある。
わたしはよく、書店で、『文学大全』だと思って、『文字大全』を買ってきてしまうことが、ある。
ぶ、文学じゃないじゃん! も、文字じゃん!
と、おうちで、気がつくのだ。
も、文字かいッ!! とわたしはひとり、さけび、こぶしをおふとんにたたきつける。くやしかったのである。
ひとは、くやしいときに、おふとんにこぶしをたたきつける。
リビングの床などだと、いたいからである。
しかし、たたきつけるのがおふとんならば
それは、やわらかい。ふわふわしている。
こぶしなのに、きもちがいい。
くりかえしてみる。
もういちど、たたきつけて、みる。
なんだか、やすらいでくる。
ほっと、してくる。
ピース、だとおもう。
安寧、だって。
わたしは、『文字大全』を、ひらく。
こんなに文字にくわしくなっちゃってどうしよう、っておもう。
でも、それも人生だって、おもう。
すごくたくさんいろんな書体がのっている。
文学についてはきもちいいくらいいっさい書かれていない。
青空みたいな、ひまわり畑のような、本だ。
頁をめくるたびに、風が吹いてくる。
髪が、ゆれる。
ここでわたしはこの話のそろそろエピローグだなとおもい、たちあがると、スポットライトの場所までじぶんから歩いて行き、しずかに話しはじめる。
間違えるって、そこからきっと、じぶんの知っていて・知らなかった王国にむかうことですよね。たぶん。
みなさんは、ふだんの生活で、どのような聞き間違いや言い間違い、見間違いをされているでしょうか。
かつて、イエス・キリストは、言いました。
隣人を愛しなさい、と。
でも、ひとは、まちがう。
数多くのまちがいをおかし、しかしそのまちがいのなかで、愛をみつけていく。遠い隣人に対して。
だから、わたしは、こうおもうんです。
きっとひとはみんな、じぶんだけの五階を持ってるんだと。
そしていつかその自分だけのためのほんとうの五階にたどりつくためだけに、間違いを重ねていくんだと。
やぎもともともとでした。
おやすみなさい。
スポットライトが、消える。
暗転、する。
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