【感想】初恋の人ありがとうタクシーのドアは自分で閉めなくてよいのね 中村美智
- 2015/03/08
- 19:09
初恋の人ありがとうタクシーのドアは自分で閉めなくてよいのね 中村美智
【繰り返される初恋】
ふしぎな歌ですよね。
いろんなふうに解釈できる歌です。
ここでひとつの解釈として「タクシーのドア」を比喩としてとらえてみます。
タクシーのドアは勝手にしまりますから、自分で閉める必要はありません。
でもこの歌で語り手は「タクシーのドアは自分で閉めなくてよいのね」と〈気づい〉ています。
気がついたということは、タクシーのドアでさえ、自分で閉めていたということになります。
つまり、語り手は、ほんとうは自分でやらなくてもいいことさえも、自分でやってきた。
そういうふうにかんがえることができるのではないでしょうか。
それを気づかせてくれたのは《だれ》かといえば、初恋のひとです。だから、(気づかせてくれて)「ありがとう」です。
つまり、「初恋」はこの短歌のなかでもういちど「初」めての〈経験〉としてやってきたのではないかとおもうのです。遅れてやってきた〈気づき〉として。
だからこの短歌において「初恋」は、初めての恋であると同時に、なんども〈気づき〉としての〈初めて〉をくれる〈恋〉なのではないかとおもうのです。
その意味で「初恋」はいつまでも「初恋」でしかないのです。初めては、なんどでも、繰り返し、おとずれる。
そうやって、世の中の〈あたりまえ〉のことに〈初めて〉として気がついていく。
カラオケのソファで寝息たてあって家族になっちゃうって思ってた 中村美智
【繰り返される初恋】
ふしぎな歌ですよね。
いろんなふうに解釈できる歌です。
ここでひとつの解釈として「タクシーのドア」を比喩としてとらえてみます。
タクシーのドアは勝手にしまりますから、自分で閉める必要はありません。
でもこの歌で語り手は「タクシーのドアは自分で閉めなくてよいのね」と〈気づい〉ています。
気がついたということは、タクシーのドアでさえ、自分で閉めていたということになります。
つまり、語り手は、ほんとうは自分でやらなくてもいいことさえも、自分でやってきた。
そういうふうにかんがえることができるのではないでしょうか。
それを気づかせてくれたのは《だれ》かといえば、初恋のひとです。だから、(気づかせてくれて)「ありがとう」です。
つまり、「初恋」はこの短歌のなかでもういちど「初」めての〈経験〉としてやってきたのではないかとおもうのです。遅れてやってきた〈気づき〉として。
だからこの短歌において「初恋」は、初めての恋であると同時に、なんども〈気づき〉としての〈初めて〉をくれる〈恋〉なのではないかとおもうのです。
その意味で「初恋」はいつまでも「初恋」でしかないのです。初めては、なんどでも、繰り返し、おとずれる。
そうやって、世の中の〈あたりまえ〉のことに〈初めて〉として気がついていく。
カラオケのソファで寝息たてあって家族になっちゃうって思ってた 中村美智
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