【お知らせ】「【にゅっとでるたんか】のりべんはなぜぶちまけられなければならなかったのか」『かばん』2015年3月号
- 2015/03/10
- 22:00
『かばん』2015年3月号にリレーエッセイとして書いた「のりべんはなぜぶちまけられなければならなかったのか」を載せていただきました。お手に取る機会がありましたときに、お読みいただけましたらさいわいです。
去年の今ぐらいにお話をいただき書いたもので、そのころにかんがえていた、短歌はすぐに終わるからこそ意味がスパークするんだということを〈のりべん〉をめぐりながら考えています。
のりべんがきらきらしつつ離れてく銀河鉄道途中下車不可 柳本々々
から始発して、斉藤斎藤さんの「雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられてこれはのり弁」という歌の駅や関悦史さんの「ぶちまけられし海苔弁の海苔それも季語」という句の駅を経由しながら、のりべんを食べながら、銀河鉄道の車窓から身をのりだしながら書きました。
少しだけどんなのりべん風景をみたかのりべん的要旨として最後に箇条書きで抜き出しておくと、
・わたしは、詩におけるのりべんの力学についていつもふしぎに思っていた。
・ぶちまけらたのりべんこそがダイナミズムをつくる。だとするならば、なぜのりべんはぶちまけられなけらればならなかったのか。
・一回的で・不可逆の〈小さな死〉と向き合わざるをえないのが短歌ではないかと、わたしは(のりべんをとおして)思う。
・車窓から、ついうっかりのりべんを手放してしまった。それは宇宙空間にほうりだされ、散り、舞い、きらきらと空中分解していく。もう、もとにはもどせない。律儀な、整頓されたのりべんにはもう、かえれない。
・定型という列車にのったわたしたちは、そうかんたんには降車できない。それは、もう出発してしまったものだ。
・きらきらとしての〈死〉だ。それは、のりべんの死=詩だ。
・のりべんはまだこれからもさまざまなのりべんではないかたちをとってぶちまけられるだろうとわたしは思う。そういうものだと、思っている。のりべん。
去年の今ぐらいにお話をいただき書いたもので、そのころにかんがえていた、短歌はすぐに終わるからこそ意味がスパークするんだということを〈のりべん〉をめぐりながら考えています。
のりべんがきらきらしつつ離れてく銀河鉄道途中下車不可 柳本々々
から始発して、斉藤斎藤さんの「雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられてこれはのり弁」という歌の駅や関悦史さんの「ぶちまけられし海苔弁の海苔それも季語」という句の駅を経由しながら、のりべんを食べながら、銀河鉄道の車窓から身をのりだしながら書きました。
少しだけどんなのりべん風景をみたかのりべん的要旨として最後に箇条書きで抜き出しておくと、
・わたしは、詩におけるのりべんの力学についていつもふしぎに思っていた。
・ぶちまけらたのりべんこそがダイナミズムをつくる。だとするならば、なぜのりべんはぶちまけられなけらればならなかったのか。
・一回的で・不可逆の〈小さな死〉と向き合わざるをえないのが短歌ではないかと、わたしは(のりべんをとおして)思う。
・車窓から、ついうっかりのりべんを手放してしまった。それは宇宙空間にほうりだされ、散り、舞い、きらきらと空中分解していく。もう、もとにはもどせない。律儀な、整頓されたのりべんにはもう、かえれない。
・定型という列車にのったわたしたちは、そうかんたんには降車できない。それは、もう出発してしまったものだ。
・きらきらとしての〈死〉だ。それは、のりべんの死=詩だ。
・のりべんはまだこれからもさまざまなのりべんではないかたちをとってぶちまけられるだろうとわたしは思う。そういうものだと、思っている。のりべん。
- 関連記事
-
- 【お知らせ】「【ぼんやりを読む】ゾンビ・鴇田智哉・石原ユキオ(または安心毛布をめぐって)」『週刊俳句 第409号』 (2015/02/22)
- 【お知らせ】小津夜景さんや川合大祐さんと話し合った日々、或いは小津夜景/川合大祐と語るときにわたしの語ること『川柳スープレックス』 (2015/04/25)
- 【お知らせ】書評「水の移動説」(谷川電話『恋人不死身説』歌集評)『かばん』2017年12月号 (2017/12/13)
- 【お知らせ】「『ユリイカ臨時増刊金原まさ子』と/を読む『ユリイカ臨時増刊悪趣味大全』 緊縛された村上春樹とジョルジュ・ポンピドゥ・センター」『週刊俳句 Haiku Weekly第399号』 (2014/12/15)
- 【お知らせ】「【短詩時評】小池正博と綱のつけられない動物(的比喩)たち-はじめにもなかがあった、もなかは神と共にあった、もなかは神であった-」『BLOG俳句新空間 第26号』 (2015/09/18)
スポンサーサイト
- テーマ:読書感想文
- ジャンル:小説・文学
- カテゴリ:々々のお知らせ