すきなひとのすきなひとのすきなひとのあとがき。
- 2015/03/23
- 07:23
安福望さんに、すきなひとのすきなひとのすきなひとの歌を絵にしていただきました(すきなひとたちのいちばんうえには誰もが毎晩抱えもつ世界の○もあります!)。
安福さん、ありがとうございました!
うわの空のサンドイッチ『食器と食パンとペン』
安福さんが記事で「猫バスと高速道路」についても言及してくださっているんですが、猫バスってたとえばわたしがうかつに乗ったら降り方がわからなくて、でも降りたいとも恥ずかしくて言い出せずにずっと乗っているようにおもうんですよね。
Googleでもちろん「猫バス 降り方」で検索するんだろうけれども、具体的には出てこない。
逆に「猫バス 降りられない あの世」などという検索がすすめられて、ビビったりもする。
猫バスのなかには、メイが母親に届けるはずだったトウモロコシがごろごろとおびただしい量で転がっていて、これらをぜんぶ母親に食べさせようとしていたメイになにか尋常でないものを感じ始めている。
そんなとき、すこしでも心を落ち着かせようと、わたしはすきなひとのことをかんがえようとする。
でも、そのすきなひとにはすきなひとがいたのを思い出して、わたしはそわそわしはじめてしまう。
ところが、さらにもうすこしすきなひとをすすめてみると、すきなひとのすきなひとのすきなひとがわたしの隣の席の女の子だったので、なんだか安心してしまい、また落ち着きはじめてしまう。
でもそのすきなひとのすきなひとは、わたしのすきなひとのきょうだいの隣の席のひとなので、あたまがこんらんしてくる。
猫バスは高速から、超高速道路に入り始めている。端的にいうなら、光速路へ。
わたしはかつて、すきなひとのすきなひとのすきなひとのすきなひとのすきなひとのそんなにすきではなかったひとが、いっていたことばをおもいだす。
困ったときは、すきなひとにすきなひとがいたマンガ『ストロボ・エッジ』を読んだらいいよ。読みなよ。
わたしは、いま、読みはじめる。圧倒的な〈にゃあ〉のなかで。
猫を追い帰れなくなり電話する。電話がぬるく、やわらかく。嗟(にゃあ)。 御前田あなた
(第三回怪談短歌・東直子 選・佳作)
安福さん、ありがとうございました!
うわの空のサンドイッチ『食器と食パンとペン』
安福さんが記事で「猫バスと高速道路」についても言及してくださっているんですが、猫バスってたとえばわたしがうかつに乗ったら降り方がわからなくて、でも降りたいとも恥ずかしくて言い出せずにずっと乗っているようにおもうんですよね。
Googleでもちろん「猫バス 降り方」で検索するんだろうけれども、具体的には出てこない。
逆に「猫バス 降りられない あの世」などという検索がすすめられて、ビビったりもする。
猫バスのなかには、メイが母親に届けるはずだったトウモロコシがごろごろとおびただしい量で転がっていて、これらをぜんぶ母親に食べさせようとしていたメイになにか尋常でないものを感じ始めている。
そんなとき、すこしでも心を落ち着かせようと、わたしはすきなひとのことをかんがえようとする。
でも、そのすきなひとにはすきなひとがいたのを思い出して、わたしはそわそわしはじめてしまう。
ところが、さらにもうすこしすきなひとをすすめてみると、すきなひとのすきなひとのすきなひとがわたしの隣の席の女の子だったので、なんだか安心してしまい、また落ち着きはじめてしまう。
でもそのすきなひとのすきなひとは、わたしのすきなひとのきょうだいの隣の席のひとなので、あたまがこんらんしてくる。
猫バスは高速から、超高速道路に入り始めている。端的にいうなら、光速路へ。
わたしはかつて、すきなひとのすきなひとのすきなひとのすきなひとのすきなひとのそんなにすきではなかったひとが、いっていたことばをおもいだす。
困ったときは、すきなひとにすきなひとがいたマンガ『ストロボ・エッジ』を読んだらいいよ。読みなよ。
わたしは、いま、読みはじめる。圧倒的な〈にゃあ〉のなかで。
猫を追い帰れなくなり電話する。電話がぬるく、やわらかく。嗟(にゃあ)。 御前田あなた
(第三回怪談短歌・東直子 選・佳作)
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