【川柳】あらいながせない(「第5回 高田寄生木賞・樋口由紀子 選 秀逸・野沢省悟 選 佳作」『触光』42号・2015年6月号)
- 2015/05/14
- 19:37
リンス・イン・魂(洗い流せない) 柳本々々
(「第5回 高田寄生木賞・樋口由紀子 選 秀逸・野沢省悟 選 佳作」『触光』42号2015年6月号)
第5回高田寄生木賞で、樋口由紀子さんから秀逸に、野沢省悟さんから佳作に選んでいただきました。ありがとうございました。
樋口さんからは次の選評もいただきました。ありがとうございました。
《「リンスインシャンプー」という物がある。シャンプーの一つで、一本でシャンプーとリンスが出来る。だから、あらためてリンスの使う必要がなく、手間が省け、安価である。その物と言葉を下敷きにして、「魂」が(洗い流せない)と理屈を立てる。十七文字の韻律にうまく収めて、意表を突く仕立て方が新鮮であった。》
このリンスインの句は、かつて瀧村小奈生さんから取り上げていただいたことがあるのですが、たぶんそのときにわたしは始めてネットでじぶんの句の感想を書いていただいたのですごくうれしかったことを覚えています。
それでそれから少したってまた瀧村さんがブログでこのリンスインにすてきな返句をしてくださって、それもすごくうれしかったです。この句をみるたびに、なんだってできそうだ、っておもえるのです。「ショコラ・オ」にことばが接続していけるように、〈わたし〉という主体は〈世界〉のそこかしこに思いがけなく接続(アクセス)していくことができるんだって。それは、
ショコラ・オ・なんだってできそうな朝 瀧村小奈生
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できるだけ象を怒らせ月を待つ 樋口由紀子
焼おにぎりになるのだったら焼かれたい 野沢省悟
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