【お知らせ】「【反復を読む】電話を取り上げてあなたに創造的な「もしもし」を言った。その二番目の「もし」のこと」『週刊俳句 第421号』
- 2015/05/19
- 21:52
『週刊俳句 第421号』にて「【反復を読む】電話を取り上げてあなたに創造的な「もしもし」を言った。その二番目の「もし」のこと」という文章を載せていただきました。『週刊俳句』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
今回、〈反復〉について山田露結さん、榮猿丸さんのそれぞれの句集を読み直しながらかんがえてみました。
露結さんがあとがきで述べられていたのですが、露結というお名前は、露結さんのお祖父さんからお名前をいただいたそうなんですね。だから、露結さんのお名前もその意味で、差異を含みながらも〈反復〉しているとおもうんです。名前を引き継ぎながらも、みずからの場所をその名前のもとにあたらしく生成していくこと。
そういった運動はもしかすると季語にもちかいのではないかとおもいます。季語も反復されるものですが、しかしそのつどその反復のなかであたらしい場所がうみだされていく。それは反復されるからこそ意味があるし、でもそのままに反復しないからこそ意味がある。
猿丸さんの反復については、去年の秋にSSTのイヴェントに出ていたときにかんがえていたことで、そのとき新宿の紀伊國屋のイヴェントだったんですが、イヴェントにいくまえに資生堂フルーツパーラーで西瓜のジュースを飲んでいたんです。で、ああ資生堂フルーツパーラーの西瓜ジュースの氷はさすがに西瓜ジュースでできているんだなあとおもっていたのですが、そのあとのイヴェントで猿丸さんのグレープフルーツジュースの句を読んで、そのことが俳句になっているという事態にすごく驚いて、そのときからずっとかんがえていました。
出来事は反復するのだし、そしてそれにたちあうわたしじしんも反復するのだと。
今回書きながら反復についておもっていたことはただひとつで、反復は反復されず、失敗してこそ、意味があるということです。
そこに反復の驚きとすばらしさがあるようにおもうのです。
くりかえされるひまわりにも、くりかえされるゴダールにも。
ひまはりの葉に向日葵の影を置く 山田露結
ゴダール黒縁眼鏡クロサワ黒縁眼鏡 榮猿丸
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
今回、〈反復〉について山田露結さん、榮猿丸さんのそれぞれの句集を読み直しながらかんがえてみました。
露結さんがあとがきで述べられていたのですが、露結というお名前は、露結さんのお祖父さんからお名前をいただいたそうなんですね。だから、露結さんのお名前もその意味で、差異を含みながらも〈反復〉しているとおもうんです。名前を引き継ぎながらも、みずからの場所をその名前のもとにあたらしく生成していくこと。
そういった運動はもしかすると季語にもちかいのではないかとおもいます。季語も反復されるものですが、しかしそのつどその反復のなかであたらしい場所がうみだされていく。それは反復されるからこそ意味があるし、でもそのままに反復しないからこそ意味がある。
猿丸さんの反復については、去年の秋にSSTのイヴェントに出ていたときにかんがえていたことで、そのとき新宿の紀伊國屋のイヴェントだったんですが、イヴェントにいくまえに資生堂フルーツパーラーで西瓜のジュースを飲んでいたんです。で、ああ資生堂フルーツパーラーの西瓜ジュースの氷はさすがに西瓜ジュースでできているんだなあとおもっていたのですが、そのあとのイヴェントで猿丸さんのグレープフルーツジュースの句を読んで、そのことが俳句になっているという事態にすごく驚いて、そのときからずっとかんがえていました。
出来事は反復するのだし、そしてそれにたちあうわたしじしんも反復するのだと。
今回書きながら反復についておもっていたことはただひとつで、反復は反復されず、失敗してこそ、意味があるということです。
そこに反復の驚きとすばらしさがあるようにおもうのです。
くりかえされるひまわりにも、くりかえされるゴダールにも。
ひまはりの葉に向日葵の影を置く 山田露結
ゴダール黒縁眼鏡クロサワ黒縁眼鏡 榮猿丸
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