【川柳連作】「二十七時に会いましょう」『Senryu So Vol.6 終刊号 2014年 秋』(発行 石川街子・妹尾凛・八上桐子)
- 2015/06/01
- 08:02
花束の拍手のような午前二時
〈降ります〉のボタンを拾う屋上で
そうですねプラン9でひかります。
くとうてん煮こんだよるにすこし浮く
ひやむぎのきびしいぶぶんはなしあう
信号でめがねをはずすぬるい虹
おだやかなかつらをかぶり鳥を抱く
「帰ったの?」押入に棲むひかるひと
ねえきみがすきだったんだバスクリン
発育が夢のわたしに負けていく
足らぬからつぎたしていく部屋の西
しばらくは右で死んでる観覧車
死んでいくことばのむれの尾をつかむ
雨の降る解答欄でおもいだす
悲しみがわたしを超えて返事する
ねえ、夢で、醤油借りたの俺ですか?
家じゅうに■■が満ちていく
いままでのすべてのうそをもらう吽(うん)
さようなら 最終回が季語になる
終バスの二十七時で会いましょう
柳本々々「二十七時に会いましょう」『Senryu So Vol.6 終刊号 2014年 秋』(発行 石川街子・妹尾凛・八上桐子)
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ふとデジャヴ 六月雨の歩道橋 石川街子
しんしんと眠るじゅうぶん消えるまで 妹尾凛
こわいほどなつかしい青いはなびら 八上桐子
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