【こわい川柳 第五十八話】 ロボットの骨が時々出る古墳 佐々木ええ一
- 2015/07/08
- 00:18
ロボットの骨が時々出る古墳 佐々木ええ一
【Little Green Men】
今回のええ一さんの川柳は丸山進さんのブログ記事で紹介されていたものです。
こちらの記事です。
虹が見たくなると鯨は潮を吹く 佐々木ええ一
こわい川柳というよりも、ちょっとふしぎなへんてこなおもしろさがある川柳ですよね。でもよくかんがえてみると、こわい。
でなにがこわいかといえば、時間が倒錯しているこわさだとおもうんですね。
すさまじい未来にはロボットの骨がでることもあるかもしれない。わたしたちの都市が古墳化していることだってあるかもしれない。
でもそのすさまじい未来が、すさまじい過去としてこの句では設定されている。
しかも、「ロボットの骨」ですから、わたしたちの未知の過去ですよね。まだ手にしていない時間なはずです。ところがその手にできていない未来の時間が〈化石化〉されて、わたしたちの過去の文明である「古墳」からでてきている。
古墳、ってなんなんでしょう。あらためて。
古墳から森のにおいやコカコーラ 越智友亮
越智さんの俳句にこんな古墳の句があるけれど、ここでもどこか時間が倒錯しています。古墳から森まではまだつながるかもしれないけれど、とつぜん「コカコーラ」という現代の時間がでてくる。
そういう時間反転装置のようなものとして、古墳はあるのかもしれない。そもそも古墳ってなんなのかよくわからないところは、ある。
真夜中に古墳がきらきらネオン輝かせながら母船として浮上しても、だれもたぶん文句をいわないきもする。まあそうだったんじゃないかな、とみんなゆっくりみあげているきもする。
コカコーラのレシピをじつはだれも知らないように、古墳の実態もじつはだれにもわかっていない。
だからこそ、それは、時を超越する装置になる。コカコーラもたぶん、時間を超越する食べ物だとおもうんです。そうしてそういった謎はXファイル的にいえば、ネイティヴアメリカンの長老が古墳の謎も、コカコーラのレシピも、ロボットの骨のゆくえも知っている。
古墳を探査するモルダーとスカリー。
からつぽの春の古墳の二人かな 夏井いつき
【Little Green Men】
今回のええ一さんの川柳は丸山進さんのブログ記事で紹介されていたものです。
こちらの記事です。
虹が見たくなると鯨は潮を吹く 佐々木ええ一
こわい川柳というよりも、ちょっとふしぎなへんてこなおもしろさがある川柳ですよね。でもよくかんがえてみると、こわい。
でなにがこわいかといえば、時間が倒錯しているこわさだとおもうんですね。
すさまじい未来にはロボットの骨がでることもあるかもしれない。わたしたちの都市が古墳化していることだってあるかもしれない。
でもそのすさまじい未来が、すさまじい過去としてこの句では設定されている。
しかも、「ロボットの骨」ですから、わたしたちの未知の過去ですよね。まだ手にしていない時間なはずです。ところがその手にできていない未来の時間が〈化石化〉されて、わたしたちの過去の文明である「古墳」からでてきている。
古墳、ってなんなんでしょう。あらためて。
古墳から森のにおいやコカコーラ 越智友亮
越智さんの俳句にこんな古墳の句があるけれど、ここでもどこか時間が倒錯しています。古墳から森まではまだつながるかもしれないけれど、とつぜん「コカコーラ」という現代の時間がでてくる。
そういう時間反転装置のようなものとして、古墳はあるのかもしれない。そもそも古墳ってなんなのかよくわからないところは、ある。
真夜中に古墳がきらきらネオン輝かせながら母船として浮上しても、だれもたぶん文句をいわないきもする。まあそうだったんじゃないかな、とみんなゆっくりみあげているきもする。
コカコーラのレシピをじつはだれも知らないように、古墳の実態もじつはだれにもわかっていない。
だからこそ、それは、時を超越する装置になる。コカコーラもたぶん、時間を超越する食べ物だとおもうんです。そうしてそういった謎はXファイル的にいえば、ネイティヴアメリカンの長老が古墳の謎も、コカコーラのレシピも、ロボットの骨のゆくえも知っている。
古墳を探査するモルダーとスカリー。
からつぽの春の古墳の二人かな 夏井いつき
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