【お知らせ】「【忌日を読む】走り出す桜桃忌、問いかけられるメロスたち、そそられる太宰治(動的な意味で)-びよんびよんから始めて-」『週刊俳句 第429号』
- 2015/07/12
- 20:35
『週刊俳句 第429号』にて「【忌日を読む】走り出す桜桃忌、問いかけられるメロスたち、そそられる太宰治(動的な意味で)-びよんびよんから始めて-」という文章を載せていただきました。『週刊俳句』編集部にお礼申し上げます。ありがとうございました!
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
さいきん澤田和弥さんの句集を読んでいて、で、澤田さんの句集はなにか〈そそられて動く〉ふんいきの句がとても多いなという感じをうけたんです。
句集のタイトルは『革命前夜』なんですが、澤田さんにとって革命とは、なにかだいそれた、とんでもないことをするということではなくて、シンプルに、しかし、切実な、〈動くこと〉だったのではないかとおもうのです。
動くこと。
でも、その動くこと、シンプルな動くことが俳句という形式にあってはひじょうに大きなちから、あるいは革命になっていったのではないかとおもうんです。
で、そこから桜桃忌はおもしろい句がおおいので考えられないかなあとおもい、澤田さんの〈びよんびよん〉という〈動くこと〉からはじめてみました。動くことの「前夜」からはじめるようにして。
俳句における〈動くこと〉はおそらく〈革命〉にはなりえません。定型がそれをガードし、セーブさせるとおもうんですよね。だからこの句集はそれを知っていて、『革命前夜』となしとげられない〈革命〉にえいえんの遅延としての「前夜」をつけたのではないか。
それでも、そのドットのようななしとげられなかった革命のひとつひとつをつなげ、星座として、あるひとつの〈革命の風景〉を澤田さんの句集はたちあげているのではないかともおもうのです。〈革命〉じたいはどうでもいい。〈革命〉の「次」をよこせ、と。次を、次を、と。「次」というえいえんの遅延を。
風船を割る次を割る次を割る 澤田和弥
お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
さいきん澤田和弥さんの句集を読んでいて、で、澤田さんの句集はなにか〈そそられて動く〉ふんいきの句がとても多いなという感じをうけたんです。
句集のタイトルは『革命前夜』なんですが、澤田さんにとって革命とは、なにかだいそれた、とんでもないことをするということではなくて、シンプルに、しかし、切実な、〈動くこと〉だったのではないかとおもうのです。
動くこと。
でも、その動くこと、シンプルな動くことが俳句という形式にあってはひじょうに大きなちから、あるいは革命になっていったのではないかとおもうんです。
で、そこから桜桃忌はおもしろい句がおおいので考えられないかなあとおもい、澤田さんの〈びよんびよん〉という〈動くこと〉からはじめてみました。動くことの「前夜」からはじめるようにして。
俳句における〈動くこと〉はおそらく〈革命〉にはなりえません。定型がそれをガードし、セーブさせるとおもうんですよね。だからこの句集はそれを知っていて、『革命前夜』となしとげられない〈革命〉にえいえんの遅延としての「前夜」をつけたのではないか。
それでも、そのドットのようななしとげられなかった革命のひとつひとつをつなげ、星座として、あるひとつの〈革命の風景〉を澤田さんの句集はたちあげているのではないかともおもうのです。〈革命〉じたいはどうでもいい。〈革命〉の「次」をよこせ、と。次を、次を、と。「次」というえいえんの遅延を。
風船を割る次を割る次を割る 澤田和弥
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