【お知らせ】「【第2回 詩歌トライアスロン/柴田千晶推薦作】宇宙イチゴ」『詩客』
- 2015/07/18
- 23:40
第2回詩歌トライアスロンで選考委員の柴田千晶さんから推薦作賞をいただいた「第2回 詩歌トライアスロン/柴田千晶推薦作】宇宙イチゴ」を詩客に載せていただきました。お時間のあるときにお読みくだされば、さいわいです。
以前、現代詩手帖のバックナンバーをずっと1号1号さかのぼって読んでいったときがあったのですが、そのときに、その誌面で知ったのが、中家菜津子さんの第1回 詩歌トライアスロン受賞作でもある「うずく、まる」だったんです。
そこには「うずく、まる」が掲載されていたのですが、そのような越境の試みをされている方がいるんだということにとても驚いて、しばらく読む手をとめていろんなことを考えたりしていました。
そのことが詩歌トライアスロンを知ったきっかけでした。
このなかで一句、川柳を使ったのですが、川柳っていうのは、その句にカギカッコ=「」をつけてみればわかるように、実は世界や散文と地続きであることが多いようにおもうんです。それが俳句との決定的な違いでもあるのではないかと。俳句には切れ字があるので、切れてしまうため、散文との接続ができない。つまりそれが俳句の醍醐味でもあるとおもうのですが、川柳は散文と接続することができる。そのまま文章にすっとあてこんでもうまくいくのが川柳です。
つまり、こういことがいえるのではないかともおもうのです。川柳を書くときひとは同時に散文も書いている。もしくは散文を背負いつつ、川柳を書いている。もしくは散文を抹消した17音を書いている。
だから、一句が、プルーストのような浩瀚な物語の体系を背負っている場合もある。でもそれを言わないことで接続のありかだけを指し示すのが川柳なのだと。
川柳とは、世界の接続の仕方そのものをさがし、うちだすことなのではないかと。あたらしい接続のありかたを。だれもまだ見いだしていなかったコンセントをことばにすること。でもじつはそのコンセントを〈みんな〉がそれまで使っていたことにその一句によって気づいてしまうこと。
春の宵フラフープの輪にみんなゐる 柴田千晶
(句集『赤き毛皮』)
柴田千晶推薦作賞として、柴田さんより署名入りの句集をいただきました。ありがとうございました!
以前、現代詩手帖のバックナンバーをずっと1号1号さかのぼって読んでいったときがあったのですが、そのときに、その誌面で知ったのが、中家菜津子さんの第1回 詩歌トライアスロン受賞作でもある「うずく、まる」だったんです。
そこには「うずく、まる」が掲載されていたのですが、そのような越境の試みをされている方がいるんだということにとても驚いて、しばらく読む手をとめていろんなことを考えたりしていました。
そのことが詩歌トライアスロンを知ったきっかけでした。
このなかで一句、川柳を使ったのですが、川柳っていうのは、その句にカギカッコ=「」をつけてみればわかるように、実は世界や散文と地続きであることが多いようにおもうんです。それが俳句との決定的な違いでもあるのではないかと。俳句には切れ字があるので、切れてしまうため、散文との接続ができない。つまりそれが俳句の醍醐味でもあるとおもうのですが、川柳は散文と接続することができる。そのまま文章にすっとあてこんでもうまくいくのが川柳です。
つまり、こういことがいえるのではないかともおもうのです。川柳を書くときひとは同時に散文も書いている。もしくは散文を背負いつつ、川柳を書いている。もしくは散文を抹消した17音を書いている。
だから、一句が、プルーストのような浩瀚な物語の体系を背負っている場合もある。でもそれを言わないことで接続のありかだけを指し示すのが川柳なのだと。
川柳とは、世界の接続の仕方そのものをさがし、うちだすことなのではないかと。あたらしい接続のありかたを。だれもまだ見いだしていなかったコンセントをことばにすること。でもじつはそのコンセントを〈みんな〉がそれまで使っていたことにその一句によって気づいてしまうこと。
春の宵フラフープの輪にみんなゐる 柴田千晶
(句集『赤き毛皮』)
柴田千晶推薦作賞として、柴田さんより署名入りの句集をいただきました。ありがとうございました!
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