【川柳・連作】「ふたがあります。とりますか?」『おかじょうき』2015年7月号掲載作
- 2015/07/22
- 22:57
数学教師よ、ラン! ラン! 虚数ラン!
十文字がためを夢に浮く水母
ふわふわが隣の家に越してくる
「じゃねえ」から「じゃないの」までを進化する
「俺のふたがあります。とりますか?」「はい」
柳本々々『おかじょうき』2015年7月号掲載作
*
最後だけ違和感がある握りかた 柳本々々
(題「異」・きさらぎ彼句吾 選・佳作)
ぬるぬるとしてるここからワープする 柳本々々
(題「異」・きさらぎ彼句吾 選・天位)
月曜に土曜のひととする抱擁 柳本々々
(題「ドラマ」・徳田ひろ子 選・佳作)
いいひらてうちでしたねと褒められる 柳本々々
(題「ドラマ」・徳田ひろ子 選・地位 )
「しあわせは手品のようだ」泣く機械 柳本々々
(自由詠・むさし 選・人位 )
*
むさしさんから次の評をいただきました。ありがとうございました!
「俺のふたがあります。とりますか?」「はい」 柳本々々
句が会話になっていますね。珍しいですね。ところで、作者の柳本さんは「俺のふたがあります。とりますか?」と言ってる方なんでしょうか。それとも「はい」と言ってる方なんでしょうか。ま、そんなことはどっちでもいいんですけどね…。人間には蓋があって、それを取って中を覗いてみたいひとがいるってこと。句の形は変だけど中身はちゃんとしてる…。 むさし
*
三人称にしてアルバムに閉じ込める きさらぎ彼句吾
石放るタッチパネルの痛点に 〃
エクレアの甘さに足がつるのです 徳田ひろ子
リムセウポポウポポ浜はウポポ 〃
円周率を憂鬱そうに食べるヤギ むさし
六角形の桃です文句ありますか 〃
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