【感想】クーラーのしたで潜水艦つくる 大石雄鬼
- 2015/08/12
- 00:22
クーラーのしたで潜水艦つくる 大石雄鬼
【構造化する構造を構造化する構造】
ときどきかんがえるんですが、俳句というのは構造的な《理解》を指し示すものではなくえ、構造的な《場所》をたんに提示するものなのではないかとおもうのです。
それはたぶん榮猿丸さんの句集を読むときもそう感じながら読んでいたのですが、俳句は世界の事物をあれこれ提示はするけれども、その世界の事物のあれこれのただひとつもいちども《理解》はしたことがないとおもうのです。むしろ《非理解》のまま提示している。
たとえば大石さんの句。
「クーラーのしたで」という構造的場所を提示しつつ、その語り手が「潜水艦」という構造的場所を構造化している。
「クーラー」も構造化する構造ですよね。なぜなら、クーラーをつけるということは、クーラーの真《下》にいるということであり、クーラーの恩恵=冷気を享受するために、クーラーと構造的連関をもつからです。だがらクーラーは構造化する構造です。
「潜水艦」というプラモデルもそうです。語り手はいまプラモデルをつくっているので、構造を構造化しているわけです。
まとめてみるとこの句は、構造化する構造的場所で、構造的場所を構造化していることを《そのまま》提示している。
そしてその構造化する構造の《そのまま》性が俳句なのではないかとおもうのです。
そしてそのように構造化させつつもういちど次の句を構造化させながら理解しないように読んでみたいとおもうのです。
古池や蛙飛びこむ水の音 芭蕉
【構造化する構造を構造化する構造】
ときどきかんがえるんですが、俳句というのは構造的な《理解》を指し示すものではなくえ、構造的な《場所》をたんに提示するものなのではないかとおもうのです。
それはたぶん榮猿丸さんの句集を読むときもそう感じながら読んでいたのですが、俳句は世界の事物をあれこれ提示はするけれども、その世界の事物のあれこれのただひとつもいちども《理解》はしたことがないとおもうのです。むしろ《非理解》のまま提示している。
たとえば大石さんの句。
「クーラーのしたで」という構造的場所を提示しつつ、その語り手が「潜水艦」という構造的場所を構造化している。
「クーラー」も構造化する構造ですよね。なぜなら、クーラーをつけるということは、クーラーの真《下》にいるということであり、クーラーの恩恵=冷気を享受するために、クーラーと構造的連関をもつからです。だがらクーラーは構造化する構造です。
「潜水艦」というプラモデルもそうです。語り手はいまプラモデルをつくっているので、構造を構造化しているわけです。
まとめてみるとこの句は、構造化する構造的場所で、構造的場所を構造化していることを《そのまま》提示している。
そしてその構造化する構造の《そのまま》性が俳句なのではないかとおもうのです。
そしてそのように構造化させつつもういちど次の句を構造化させながら理解しないように読んでみたいとおもうのです。
古池や蛙飛びこむ水の音 芭蕉
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