【短歌】「ゆいいつほんとう」(「短歌研究詠草・佐佐木幸綱 選・佳作」『短歌研究』2015年10月号掲載)
- 2015/09/19
- 15:05
地下鉄のノイズの音で消えたけどいまいったことがゆいいつほんとう
君の部屋の窓に明かりがついている ぼくとは関係ないのだけれど
窓辺から夜に飛び立つかぐや姫 ホットパンツの軽い出で立ち
柳本々々「ゆいいつほんとう」
(「短歌研究詠草・佐佐木幸綱 選・佳作」『短歌研究』2015年10月号)
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「ニューウェーブとデジタルメディアをめぐるノート──荻原裕幸・加藤治郎・穂村弘」というタイトルの拙論で応募していた第三十三回現代短歌評論賞において、候補作には入れなかったのですが選考委員の篠弘さんから選考討議で言及していただきました。励みになります。ありがとうございました!
柳本々々さんの「ニューウェーブとデジタルメディアをめぐるノート──荻原裕幸・加藤治郎・穂村弘」。コンピューターの専門家の、プログラマーという職種の感受性というか、そういう仕事のシチュエーションから必然的に出てくるイメージから、デジタルメディアについて挙げた文章です。僕らは詳しくないことなので、こういう読み方もあるのかと教えられました。職種としてだけでなくて、デジタルメディアに関わって、それ自体をライトモチーフにしてきた荻原、加藤、穂村の三氏の作品をかなり読み込んでいる気がしました。ただ、当人の中でもうわかったこととして書いているものですから、文章の展開で説得力が弱いです。最終的に推しませんでしたけれども印象に残りました。
取り上げているモチーフは知っていていいことかと思いました。そういうふうに読んでいくと角度が見えて、加藤治郎も理解しやすいかという。ご自身もきっとコンピューターまみれの人なんでしょう、珍しい文章に出会いました。
篠弘「現代短歌評論賞選考座談会」『短歌研究』2015年10月号
日本のイネ刈る姿勢に身をちぢめ本と本とのあいだにて書く 篠弘
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